IT事業を通じ、日本とベトナムを繋ぐ浅井崇氏さんにインタビュー

浅井崇氏プロフィール

神戸出身
1995年からベトナムに住み始める
1998年から神戸で一品料理屋を開店
2002年にホーチミンでIndividual Systems Co,. Ltd.設立
2011年ひょうご国際ビジネスサポートデスクホーチミン就任

−会社概要について教えてください

2002年に設立した会社で、日本とASEAN各国からのオフショア開発を主幹事業としています。オフショア開発は、システムの開発をコストがあまりかからない弊社で受け持ってやることです。弊社では日本語を話せるベトナム人IT技術者が多くいるので、日本のクライアントともスムーズにやり取りを行っています。また、ベトナムに進出した日本企業へのシステム開発事業もしています。

−学生時代について教えてください

大学生活は遊んでいて単位は全然取ってなかったですね。大学4年生の時に40単位も残っていたのですが、そこで阪神淡路大震災が起きました。なんとか大学は卒業できたのですが、留学を漠然としたいと思い、ハノイで2年間ホームステイをしました。その後は日本に帰国し、第2新卒としてベトナムでホテル関連事業をしようとしていたクリーニングの会社に就職しました

−ベトナムでの経験について教えてください

当時は日本人がざっと100人程しかいなくてほとんどがJICAの職員とかで日系企業がほとんどいなかった時代でしたね。私はホテル関連事業で工場建設を担当していました。順調に行ってたのですが、当時はアジア通貨危機が起きてベトナムの経済も間接的に影響されました。その原因もあってとにかくトラブルが多くて大変でした(笑)1997年にはプロジェクトは中止になり、神戸へ帰りました。

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−神戸に帰ってからはどういう仕事をしていましたか?

当時世界で一番長い吊橋の明石大橋がオープンしたので、父と一緒に近辺で一品料理屋さんを開きました。これが結構うまくいったのですが、ベトナムに戻るために抜けました。同時にベトナムの留学生や技能実習生に対しての支援活動もしていました。その中で知り合ったベトナム人IT技術者は国の発展を目指して日本に学びに来ていたので、成長意欲が日本の若者とは比べものにならなかったですね。そういったベトナム人技術者たちと一緒に2000年にベトナムに戻りました。当時はインターネットもまだ普及しておらず、2000年代はベトナムIT業界の立ち上げ期でした。私はその時代を同年代のIT技術者と共に築いていきました。

−以前大変な思いをしたベトナムへなぜ再び戻ったのですか?

以前ベトナムにいたときの自分はなにもできなかったんですね。プロジェクトも中断してしまい、とにかくやり残したことが多かったので再びリベンジしたいという思いが強かったです。神戸での飲食経営の成功を通して自分に自信がついてベトナムでもやっていけると思いました。そこで昔からITが好きだったこともあってIT事業を通して社会に貢献していくということを決めました。

−ベトナムで働く上での魅力を教えてください

猛烈な経済発展の中でアジア危機、リーマンショック、ASEAN事情などの色々な出来事が起こっているのでとにかく変化が凄まじいです。毎年、景色が変わってやることが変わるのはとても楽しいです。私自身が起業する際にベトナムか日本のどっちにしようか迷っていたのですが、海外でやる方が刺激的で楽しいですし、生き残れるという点でベトナムにしました。日本で起業していたらたぶん潰れていましたね(笑)。

−今後の展望を教えてください

私は今43歳ですが、15年のプランがあります。まずこの15年間は今までのIT事業を通して東南アジアの展開と日本—海外をつなぐことを牽引することですね。その上で、特に地元の兵庫県に対して外国から仕事を受注して利益を出すインバウンドの事業をたくさん作っていきたいと考えています。世界有数のスーパーコンピューターやスプリングエイトといった先端のコンテンツがたくさんあるので、それらを使って地元兵庫県の地方創生に貢献していきたいです。

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−いま学生はなにをすべきですか?

例えば、私が学生に対してよく言っていることは2つあって、一つ目はパスポートをとって海外に行くこと。海外でインターンシップをしましょうとか、NPOのプログラムに参加しましょうという呼びかけでは普通の学生は反応できません。ですので、とにかく一歩海外に出ることで何か刺激をもらうことが大事だと思っています。必ず何かしら変わると思います。

二つ目はアルバイト先の店長でもいいから大人と話すこと。産官学連携が少ない地域の学生は孤立している状態なので、大人と関わる機会が全くないんですね。そういう環境だと学生は殻に閉じこもってしまい行動が全く取れなくなってきます。経営者とか社長とかと話すことの方がもちろん得るものは多くあると思いますが、まずはバイト先の店長などと話してみることですね。

−日々心がけていることや大切にしていることはありますか?

私は古いタイプの人間なので自分らしく生きるということを大切にしていますね。エリートの人たちと違って社会のレールに乗れなかった人間だったので、自分の足で歩くしかなかったんですよ。そういう環境で与えられた権利は「自由」で、上からの強制力とかも何もなかったのです。なので、自由に行動できる環境下で義理をかかさない、自分に対して嘘をつかない、信念を貫くという3つのことを心がけていますね。

−担当者コメント

波乱万丈で男らしい人生を歩んできた浅井さん。自由という環境下だと自分に甘えたり何もしなかったりする人もいると思うんですが、自分に正直でやると決めたことをやり通す意志の強さに圧倒されました 。刺激的なインタビューをしてくださりありがとうございました!

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