こんにちは。すろまいSDLABの中村と申します。国際協力のプロジェクトをする際、先方と交渉をする時が多々あります。そこで今日は、海外で交渉ごとをする時に、「英語よりも大切なこと」についてお伝えします。
交渉だけでなく、どんな仕事をする時にも役にたちます。ぜひあなたの仕事や活動にあてはめて考えてみてくださいね。
>>目次
交渉はどんな場面でも大切
カンボジアには、深刻な栄養不良の問題があります。現在、これに取り組むために、少しずつ準備を進めています。そんなある日、カンボジアの栄養不良に取り組む会社を見つけました。
この会社は、カンボジア人に不足しがちな栄養素を多く含んだお菓子や食品などを製造、販売しています。いわゆるソーシャルビジネスとして。
「この会社の力を借りることができれば、いろんなことが可能になる!」
そう思った僕は、早速コンタクトを取り、社長とのアポを取り付けました。すぐにプノンペンの本社に行き、あっという間に交渉成立。とても良い条件で取引が決まり、いろんなところで協働していくことになりました。思っていた以上の結果でした。
実は僕。
この会社に限らず、こうした交渉で、期待していたよりも良い結果に終わることが多いんです。昔はこうじゃありませんでした。でも、あることを意識するだけで、すぐに結果が変わりだしました。このことを普段の仕事で意識すると、そっちでも成果が出ました。
これは、書店やネットにあふれるノウハウやテクニックを学ぶよりもはるかに効果的です。TOEICの高得点や修士号をもっているよりもはるかに役に立ちます。修士号を2つ持っている僕がいうのですから間違いありません。笑
国際協力で大切な1つの意識
さて、ではこの時、僕は何を意識して交渉にのぞんだのでしょうか?
答えは、
相手が求めていること、
不安に思っていることを知る
です。
拍子抜けするぐらいシンプルな答えです。
でも、大切なことはいつもシンプルです。
でも、そのシンプルなことを僕たちは仕事の中で忘れてしまいがちです。
例えば、今回のケース。昔のうまくいかない時の僕はこうでした。
挨拶もそうそうに、取引の話をする。
こちらが聞きたいことばかり聞く。
こちらの利益ばかりを考え、
有利な条件を引き出そうとする。
相手の顔色をうかがい、
心臓はバクバク。
余裕がなく、冗談の1つも言えずにジ・エンド。
逆に、うまくいく時はシンプルです。
ただ、
相手を知ろうとするだけです。
具体的には、
相手の想い、希望、不安、悩み、弱みと強み、課題などを知ろうとする。
そのうえで、自分が貢献できることを考え、提案してみる。
これだけです。
まず、相手のことを知ろうとするだけでその姿勢は伝わります。たとえ一度にたくさん理解できなくても、真剣に聞いていたら少しは相手のことを知ることができます。少しでも知れたら、そこで、自分が貢献できるかな?と思うことを提案してみます。
提案がすごくいいものじゃなくても、この段階で信頼関係ができていれば、相手もさらにアイデアをだしてくれます。この積み重ねの中で、相手も僕の現状を理解してくれます。
こうしたサイクルに入れば、結構な確率で相手にも自分にも良いアイデアが生まれてくるものです。
ここまでくれば、あとは1つ1つの課題をどうやったらクリアできるのかを「一緒に」考えていけばいいだけです。一緒に考えることで、お互いの強みや弱みもさらにわかるので役割分担もできていきます。
何より信頼関係ができるので、仕事が楽しくなります。ちなみに、この時の交渉相手の社長は、ニュージーランド人。かなり強いニュージーランド訛りの英語を話します。しかも、超絶早口。はっきり言って、僕の英語力では3割ぐらいしか耳では理解できませんでした。
でも、さきほどお話ししたようなスタンスでのぞめば、時々紙に書いて確認とかをすれば問題ありません。なんとかなるものです。しっかりと相手のことを理解し、自分のことも理解してもらえました。これはカンボジアでの出来事ですが、日常に置き換えてわかりやすい別の例でお話ししますね。
それ、自分が欲しいものじゃない・・・
こういう体験をしたこと、ありませんか?
あなたが、寝室用に小さなテレビが欲しくて家電量販店に行ったとします。そして、販売員に声をかけます。すると販売員が「テレビですか?じゃあオススメはこれです。大画面で画像もきれいで、ハードディスクも付いているから録画もできます!」と元気よくおすすめしてくれました。
いやいや、自分が欲しいのは寝室用の小さなテレビなんだけど・・・大画面で録画可能なテレビはいらないし、そもそもあなたがオススメするのは、あなたが売りたいものでしょ?みたいな・・・。
もちろん、こちらから欲しいのは寝室用の小さなテレビです、と伝えればいいわけですが、それを聞き取るのはプロであるあちらの仕事なわけです。
それを知らない限り、お客さんが本当に欲しいものを提供することはができないからです。
さらに、すべての人が自分の希望や不安を明確にできているわけではありません。漠然とした希望や不安を抱えていることも多いです。この時だったら、お客さんとの会話の中から、相手が本当に必要なのは何か?ともっと問い続ける必要がありますよね。
話を元に戻します。
このように、相手が求めていること、不安に思っていることを知ることは国際協力のシーンではとても大切です。
例えば、誰かに支援をする時。
このときも、
本当に相手が望んでいるのは何か?
相手が不安に思っていることは何か?
を問い続けなければいけません。
じゃなければ、相手が望んでいるものを提供できなかったり、逆に望んでないものを提供することになってしまいます。迷惑になることだってあります。
この問いが必要になるのは、支援を受ける人との関係や国際協力だけではありません。どんな仕事ででも、どんなシーンでも、人が関わる時にはいつも必要です。常に意識をするのは難しいですし、最初は練習が必要です。
でも、この問いを意識するだけで、多くの仕事がスムーズに進みます。逆に、僕は、今でもこのことをきちんと意識できていないときは、すべてがうまくいきません。うまくいかないどころか、相手に迷惑をかけてしまうこともあります。
ということで結論。
交渉ごとでも、国際協力の活動をする上でも、また、普段の仕事や人間関係においても、相手が本当に望んでいることや不安に思っていることを知ること、もしくは知ろうとすることは一番大切です。
というか、交渉ごとの本当の勝ちとは、お互いがハッピーになること。
そして、この察知することは、日常生活でもいくらでも練習できます。だから、あなたが、国際協力や社会起業に興味があるなら、まずはこのことを日常で意識してみてください。今すぐ海外に行けなくても、できることはあります。
たぶん、思っているよりも早く成果が出るので、楽しくなると思います。僕もがんばります。
SD-LAB 中村健司氏 プロフィール
大学時代より、国内外でNGOの活動に参画。カンボジアでの支援活動や、日本国内でのNGOの運営に携わる。98年、大学を休学し、東南アジア諸国をローカルの移動手段のみで旅をしたり、カンボジアのローカルNGOの活動に参加したりすることで、発展途上国の現場の目線を養う。その後、日本とイギリスの大学院で研究。国際法、国際政治経済の2つの修士号を取得。
卒業後、地域密着のビジネスで日本型のビジネスの基本を学ぶ。その後、大阪と、カンボジアのシェムリアップで合計7年間ソーシャルレストランを経営。この間、飲食店の経営と並行して、カンボジアスタディツアー、カンボジア映画祭、カンボジアや国際協力に関するイベント、ワークショップ、教育機関や経営者団体での講演、ビジネスセクターや国際協力団体のサポートなどを多数行う。
これまでの、途上国の現場での活動、研究、NGO、ビジネスという幅広い経験を活かし、現在は、フリーランスとして国際協力プロデュース、学習ファシリテーションの活動をしています。
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