みんなが幸せになれる会社を目指して。タイで20年のビジネス経験をもつ小田原さんにインタビュー

小田原靖氏プロフィール

福岡県福岡市出身。
1993年にタイへ。1994年にパーソネルコンサルタント社を設立し同社社長へ。タイに進出している日系企業約9000社へ正社員を供給している。登録者総数12万人を越え、2016年の平均月間決定件数は約250人。

2008年から昨年まで7年連続、タイ国労働省に登録してある約200社の人材紹介会社の中で最多の紹介人数を記録し最優秀功労賞の表彰を受けている。2012年、日本からの新規進出企業の激増により日系企業専門のレンタルオフィス「OFFICE23」事業を隣接するビルで開始。2013年2月にヤンゴンにてミャンマーで初の日系人材紹介会社の運営を始める。他に、バンコクでは人材教育事業、翻訳事業も手がける。
タイで頑張る日本人起業家を応援する組織、タイ王国和僑会副代表を2013年まで勤めた。バンコクスリウォンロータリークラブ2016-2017年度会長。

−事業概要を教えてください。

20年前にバンコクで、人材紹介会社「パーソネルコンサルタントマンパワータイランド」を設立しました。最初は知人と2人で始めた会社は、今では従業員数が60人、取引企業も約8000社になりました。2008年にはタイ労働省職業斡旋局から表彰を受けることもできました。

−海外で働きたいと思ったきっかけなどはありますか?

高校時代、日本で生活をしていたときにずっと思っていたんです。スーツを着て電車の中で漫画を読んだり、パチンコ屋に入っていくサラリーマンは「かっこ悪いなー。」と。テレビや映画で見る、アメリカのビジネスマンはかっこいい。その反動で、アメリカで働くかっこいいビジネスマンに憧れて渡米を決めたんです。

大学はアメリカのオレゴン州の大学に行っていました。大学を卒業後、アメリカには5年居たのでもう十分だと思い、他の国で働いてみたいと漠然と考えて日本とアメリカじゃないところで勤務場所を探しました。

 −なぜタイを選ばれたのですか?

海外で働くかっこいいビジネスマンにあこがれていたので実は外国で仕事ができればどこでも良かったんです。たまたま地元の友達がマレーシア航空で働いていたため、その縁で最初はマレーシアに仕事を探しに行きました。マレーシアで数週間求職活動をしたのですが、面白い仕事に出会えず、求職する国を替えてタイに来ました。なぜタイに来たのかといっても特に理由はなく、駅から電車に乗って北上したらそこがタイでした。

−タイに来たときは「ここだ!」と思いましたか?

それは何も思いませんでした(笑) 何もこの国の知識が無いままの来タイでしたので。バンコクはまだ、ジャングルみたいな感じなのかなと来る前は思って、駅に着いたら意外と人口も多い、大都会でした。タイに来る前の想像と全然違って驚きました。

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−異国であるタイでビジネスを始めたきっかけはなんですか?

行き当たりばったりなことが多いかもしれないです。マレーシアで仕事を探していたけどやりたいことがなくて、タイに来て就職をしました。偶然にも雇ってくれる会社があったんですが、これがまた不安定なな会社だったんです。20代のタイ語もできない若者を雇っていろんな事をさせてくれるんです。何も分かっていない、社会にでてはじめて働き始めた22歳なのに。

そこで半年働いてみて、事業を始める事は自分でもできるという自信ができたので起業することにしました。背景には実家が自営業をしていたり、アメリカで過ごした間に独立心が強いアメリカ人を見ていた経験もあったと思います。

−自分でビジネスを始める際に前提知識とかはあったのですか?

ビジネスの知識自体はなかったですね。やりながら試行錯誤をして身につけました。人材紹介を始めたときは、なんの経験も知識もなかったです。人材が欲しいというクライアントに、人材を紹介するというすごくシンプルなビジネスモデルです。それに対して、どうやったら良い人が探せるのか、どうやって人材を評価するのか、などの枝葉はつきますが本質はシンプルだと思っています。

−ビジネスのコツなどはありますか?

2012年13年ごろはタイに日系企業の進出ラッシュがありました。その頃、タイに始めて進出されてきた企業の皆様方に「小規模のオフィススペースがないんですよ」と言われたんです。オフィスビル業者は広く貸したがるんです。ただ日本から進出されてきた方は大人数で最初から進出されてくるわけではないので、そんなに広いオフィスはいらないんです。

それだったら弊社でワンフロア借りてしまって、部屋割りをし、小部屋にして貸したら良いんじゃないかと考えました。もともと貸しオフィス業をやっていたわけではありません。最初の人材紹介業も同じですが、お客さんの「欲しい」という声に耳を傾けながらビジネスをしています。

−小田原さんが考えるタイで働くことの魅力はなんですか?

タイの経済市場は成長している舞台だと思っています。タイで働ける事の魅力はその成長している舞台で勝負できることでしょう。舞台が成長していると仕事も事業も非常に伸ばしやすいです。沈みかけている舞台に乗ってしまうと、自分がいくら頑張っても、舞台自体が沈もうとしているので結局一緒に沈んでしまうんですよね。

よく日本との比較を問われるのですが、正直に言うと日本の舞台は沈んでいく傾向にある用に感じます。それに加えて収縮し、飽和しています。そこで頑張るのは非常に大変だと思います。東南アジアは逆で、舞台が成長し拡大していますし、まだまだ飽和もしていません。なので非常にビジネスはしやすいですね。

「広げる」「増やす」など新しい事を考えるほうが、「縮小する」や「減らす事」を考えるより楽しいですよね。

−御社はミャンマーにも進出されていますが、今後も東南アジアの国に進出されたりはするのでしょうか?

それはまだ未定です。私は周りにいる近い人たちがもっと幸せになってくれればいいなと思っているので、事業を広げることはまだ決めていません。「東南アジアの各国に会社を作るぞ」とかは目的にしていないんです。

−経営をする際に小田原さんが大切にしていることはありますか?

関わっている人が幸せであれば良いなと思っています。なので、まず社員が幸せでいてほしいと思っています。朝起きた時に、行きたくないなと思う会社にはしたくないです。「さあ今日も会社に行こう」と気持ちよく、早く会社に行きたいと思うような環境にしたいと思っています。

−そういった点でなにか工夫されている点はありますか?

大きく工夫しているというよりは、小さな事をたくさん工夫しています。一括りに言うと福利厚生になってしまいますが、楽しく働くための職場づくりを常々考えています。

−海外で起業をする際に準備しておいて方がいい事はありますか?

心構えですが“覚悟”の一言に尽きると思います。日本では一生懸命やりたいことを探して見つけたと思ったら、すでに誰かがやっているような状態だと思います。タイではすでに誰かがやっているということはあまりないです。そういう意味で「やりきるんだ」という不退転の“覚悟”を決めて、海外に出れば成功できると思います。

−人生の選択において大切にしている価値観はありますか?

人生における選択といっても、本当にたくさんあり、紆余曲折あるので、どの時点の意思決定が正解かどうかは決められないと思っています。大学卒業の時の決定が人生を左右するのかというと、意外とそうでもないです。復活もできますし、いい会社に入った後、その会社が潰れることだってあります。なので、固定観念に縛られないようにしています。

話がかわりましすが、継続することもすごく大事だと思います。タイで色々なお声をかけていただいているのもやっぱりタイに20年いて、タイの人材市場を20年間見続けているからですね。継続と言う点では、やっぱり最初に入った会社に3年間は居たほうが良いと思います。3年いて「去年どうだった」「今年どうだった」、「来年どうなりそうだ」というのがわかってから、将来に関して決めるのが良いと思います。

半年、1年の短期間ででこれは違うなというのは早いです。そもそも、それが何なのか、何が何と違うか分からないのに判断は利かないはずです。そういう意味では、どこに入っても同じといえば同じなのかもしれませんね。軸を定めるために先ず3年間は働く。その後に決断する機会はたくさんあるので、その軸を基準に考える事ができます。固くならず柔軟な考えを持ちながら、一回決めたら継続してやってみることですね。

−大学生が今のうちにやっておいたほうがいいことはなんでしょうか?

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旅行すること、本を読むこと、人に会うことの3つは絶対に必要ですね。それに集約されると思います。知らないところに行く事、あまり共通点が無い人や、知らない人と話すことは、特に重要だと思います。知らない人と話すといっても同じ世代の人だけになってはいけません。あえて、世代を区切って同じ割合くらいで話してみることが大事です。そういった経験が自分の器を大きくします。

−最後に20代に向けてメッセージをお願いします。

すごく大変な時代に入ってきていると思います。我々が20代の頃は身近なコミュニティーのなかで戦っていけばよかったんです。でも、いまはITインフラのおかげで世界が身近になり、同い年のトップレベルの会ったことのない人がライバルで、そういう人と戦っていかなければなりません。そういう人と戦って勝っていくために日本の事をもっと勉強した上で、世界に出ていってほしいと思います。ぜひ“覚悟”を決めて取り組んでください。

取材担当コメント

タイの人材紹介業でNo1を誇るパーソネルコンサルタント社。社内は明るく、社員の方々もいきいきと仕事をされていました。イメージカラーの赤が所々に見られるなど一貫性の高い会社だと思いました。小田原さんから、覚悟を決めて継続をすることで、大きな事業を成し遂げられると学ばせていただきました!


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