インド|日本のインターネット事業先駆者、倉木良樹さんに突撃取材!

倉木良樹氏プロフィール

同志社大学文学部・デリー大学ヒンドゥーカレッジ社会学部(文化人類学)卒業。
1998年、株式会社ミード・アソシエーツ代表取締役。2009年、ブリッジシステム代表取締役。

−会社概要を教えてください

2009年の4月に起業しました。主にシステムの開発や販売の事業、印刷業務やインターネット運用事業を行っています。

−20代の生活について教えてください

高校は進学校に通っていたのですが、希望の大学に行けず挫折をしたので、劣等感で歪んだ20代を過ごしていました。しかし、大学の途中にデリー大学へ留学して自分の考えが結構変わったと思います。大学卒業後は自動車関係の会社で3年半カタログ制作を一生懸命頑張っていましたが、仕事上のトラブルや人間関係に苦労しました。なので独立しようと思い現在の会社を起業しました。

−インドでの経験について教えてください

インドではジャーナリズムの勉強をしながらインド現地の民族と遊牧生活とかをしていて自分のやりたいことを自由奔放にやりながら楽しんでいました。日本ではどうしても国立大学に行った友達や自分より成功している人と自分を比べてしまうのですが、インドでは自由に暮らせたので、自己のアイデンティティーを確立した時期でもありましたね。

−自動車関係の会社を辞めた後はどのようなことをしていましたか?

当時はAppleが最初のMacを販売し、日本のデザイン関係会社もMacを何台か導入し始めた時期だったんです。しかし、ソフトウェアの表記が全部英語だったので使い方を教えていましたね。それを2年間くらいやってから独立しました。コンピューターがメディアになると言われていた時代だったのでCDの中に大量の情報を入れるものが売れると思いまして「日本全国の各駅停車の旅」というCDを出したんです(笑)。これが大ヒットして、そこから企業向けの仕事やシステム開発を任されるようになりました。

−なぜ海外で事業を起こしたいと思ったんですか?

日本でやっていた事業が思ったよりうまく行かなくなり始めたのと、リーマンショックがちょうど起きた時期だったんです。自分の中でここが転機だと思い、ゼロベースでやり直すことを決めました。インドには人脈があったのでそこでビジネスを作ってもよかったんですが、新しい場所で事業をやりたいと思い、初めてベトナムに来て会社を作りました。

−不安はありませんでしたか?

なかったですね。不安というのは何か持っていて、それを失うことを恐れているから芽生えるものです。色んなことを抱え込むとそれを守るために生活をしてしまうので私は何も持たないようにしています。特に当時の私は会社を辞めて単独でベトナムに来たので尚更失うものはありませんでしたね(笑)。

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−他に日々意識していることはありますか?

40代の時に山登りにハマっていました。そこでは冬山に一人で40kgの荷物を担いで10日間閉じこもったりしていました。雪が深すぎてテントが張れなかったり天候がひどくて全く進まなかったり、色んな困難に立ち向かったんです。山登りをするという選択をしたのは自分が好きだからしたものですが、嫌なこともいっぱいありました。仕事も嫌なことがいっぱいで苦しい時もありますが、その道は自分がワクワクすると思って選んだ道だから、その中で精一杯頑張ることを意識しています。悩みがないと幸せを感じないと思いますね。

−20代にはどういう能力が問われると思いますか?

ここから先はどんどん情報格差というものがなくなって行くと思います。今までは先進国と発展途上国、日本人と外国人、というような差をネタにして仕事ができた時代でした。しかし、その時代はもう終わりです。例えば日本で最新と思っていたバイクは1年後にはすぐベトナムでも登場します。同時進行に世界は進んでいき、「差」はどんどんなくなります。そこで重要なのは自分の頭で論理的に考えて解答を見つける数学的な能力だと思います。周りに流されず、論理的に芯の通った考えができる人が今後活躍するのではないかと思います。

−自分のやりたいことが見つからないという学生に対してのアドバイスを教えてください。

いったん人の意見を聞くのを辞めてみて下さい。自分が何をしたいかわからない人は他人の意見に依存していると思うので、まずは自分の心に聞くことです。自分で考えるという思考経路を作り出すのは難しいと思います。おそらく今の生活がある程度満たされているから行動できないのだと思います。それを失いたくないと考える人が多いと思うのです。思考と行動は連動しているので、日々の少しの行動を変えていくことによって考え方も少しずつ変えられると思います。目覚まし時計を捨てるとか、登山に行くとか、チャレンジ精神を持って何かやってみましょう。

−20代へのメッセージをお願いします。

それぞれが思う幸せというものを追求していってください。一流とかにならなくても海外に行かなくてもいい会社に入って普通に送って幸せになれるのであればそれがその人の最高の形だと思います。これからは色んなものが自動化されて仕事がなくなるとかってメディアでよく報道されていますけど、その時代の変化にもっとワクワクして幸せに暮らして下さい。

−座右の銘はありますか?

ないです。ルールを持たないようにして先のことも過去のことも考えないように生活しています。毎朝日記を書くのですが、その日記はこの一日にこれから起こることに対しての面白い出来事を書いています。仕事を貯めずに、メールのインボックスも常に空っぽの状態にすることを心がけています。そうしないと不安が溜まって発想や思考ができなくなるくらい苦しくなってしまうので(笑)。

取材担当コメント

人生経験が豊富でインスピレーションが湧きました。また、幸せを追求するという倉木さんのメッセージがとても胸に刺さって刺激になりました。僕も生活から不安を無くす工夫をしようと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

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