恵島良太郎氏プロフィール
1976年宮崎県生まれ。
大学卒業後、IT会社、コンサルティング会社を経て27歳時株式会社ROIを設立。
居酒屋を経営後、飲食店を支援するwebサービス事業、覆面調査サービスを展開中。
2012年マレーシア現地法人 M&M ARC Sdn.Bhd.設立。
レンタルオフィス、人材紹介業、訪日ムスリム向けのアプリ「ハラルナビ」事業を提供している。
−まず事業概要を教えてください。
日本とマレーシアで様々な事業を展開しています。日本では、覆面調査ビジネス、飲食店向けの完全成功報酬型送客サイト、ストレッチ専門店を展開しています。またマレーシアでは、レンタルオフィス、人材紹介業、ハラルレストランの検索アプリ、ハラルナビのアプリ製作を行っています。
−恵島さんがビジネスに関心を持たれたきっかけを教えてください。
大学在学中の私には、誇れるもの、自慢できるものがありませんでした。勉強・スポーツ・部活・サークル、そのどれにも熱中することなく、ただ中途半端な時間を過ごしていました。 そんな生活を送りながら迎えた20歳。ひょんなことから、先輩や仲間たちと飲食店の経営、大学生による営業会社を運営することになりました。 お客様からの「ありがとう」の言葉、発注会社の方からの「すごいねぇ」の言葉、そんな言葉が唯々嬉しく、寝食を忘れて仕事に没頭しました。 また、自分のアイデアや努力で、仲間たちがどんどん成長していく姿というのも、私に特別な力を与えてくれました。
そんな「楽しい」が溢れたビジネスマンの第一歩は、難しさを痛感させられる形で終わりを迎えました。 残った大きな赤字、それを経営陣全員で精算し解散しました。 それでも、私には感謝の気持ちだけは残っていました。中途半端に過ごしていた私が、寝食を忘れるほどのビジネスと出会え、先輩や仲間とたくさん の喜びを得られたことが、自然と感謝の気持ちを残していたのだと思います。今思うと、このときが始まりのようにも思えます。
−なぜ起業をされたのでしょうか?
当時からインターネットが生活のインフラになるという予感はありました。BtoBの話が盛り上がる一方で、BtoCのマーケットはすごく大きなものになるのだけれど、手を付けている人が少ない状態でした。というのも、ビットバレーでITの話しをしている人達と、飲食店で次のイベントを考えている人達では人種が全然違いました。なので、その間に立てる人間は希少性が高いと考え、飲食×ITで22歳の時に創業することを決めました。
−実際に起業をされたのは27歳のときですがその間は何をしていたのですか?
卒業から5年後の27歳で再度独立することを目標に、まずはIT企業へプログラマーとして就業しました。 プログラマーとしての就業中も、財務など必要となる知識を得るために、予備校で勉強の日々を重ね、 その2年後には、外食企業向けのコンサル会社へ就業しました。その際には、月間400時間の就業時間をノルマとして働きました。 そして、目標の27歳で「株式会社ROI」を創業するに至りました。
−今、創業時を振り返っていかがですか?
創業からの4年間を振り返ると、上手くいかないことばかりでした。資金も常に底をついた状態で、余裕など全くなく、その上、何処へ行っても全くビジネスの相手にされず、涙を流しながら次のアポイント先まで歩いたこともありました。 ただ、そんな中でも不思議と辞めたいと感じたことはありませんでした。新しいことへのチャレンジは、本当に心を躍らせるものでした。
−起業をされてからの経緯を教えてください!
起業して最初の1年は飲食店を経営していました。その後、ITの領域で事業を立ち上げました。QRコードで空メールを送って登録するサービスを飲食店向けに作りました。そうして集めた顧客情報を元にビジネスをしていました。当時は個人情報保護法が無かった時代だったので。今は覆面調査サービスを始め様々なサービスを展開しています。
−今後の展望を教えてください。
自分は2030年で引退をすることにしています。なので、今後の5年で投資、10年で回収、後継者育成をしたいと思っています。ハラルビジネスもして、プロテインシフトが今後起こってくると思うので、ハラル×食事という領域にも注力していきたいです。
−2030年という言葉が出ましたが、かなり将来のことも考えられているのでしょうか?
弊社では全員がライフプランを考えます。10年後、20年後のプランを考えて、それを実現するために必要な資金や能力をブレイクダウンして、今なにをするべきなのかをマレーシアの社員も含め全員考えます。3ヶ月に1度、社内面談をする機会もあります。
−学生が今のうちにやっておいたほうが良いことはなんでしょうか?
未来を予測することだと思います。2030年に自分がどうなっていたいかを決め、2030年に自分を取り巻いている環境を予測します。そして、職業を徹底的に考えたほうが良いです。今良いと言われている職業が20年後に残っているかもわかりません。予測をしながら自分の行きたい人生を決める。そうするとギャップが見えてきます。何をいつまでにやらなければいけないかを考えてみるといいと思います。
−起業を考えている学生はなにをすればいいですか?
法務、財務周りの知識は頭に入れておく必要があります。経営者として弁護士や税理士と台頭に話す事ができる必要があります。
恵島さん、ありがとうございました!
取材担当コメント
「未来を予測した方がいいよ。」恵島さんに言われたこの言葉は自分の将来を考えるきっかけになりました。2030年を考えそこから逆算したキャリアを選択する。その為にまず圧倒的なインプットをしていきたいです。
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