阿古哲史氏プロフィール
32歳・奈良県出身
株式会社ジャパン・ファームプロダクツ 代表取締役
−会社概要
カンボジアで「この国における一次産業をアジアにおける一大産業に」という理念を掲げ、農産物輸出、生産をする会社。
−Japan Farm Productsの事業内容について教えてください。
Japan Farm Productsは2012年に設立した会社で、日本の農産物をカンボジアに輸入して販売している会社です。メイドインジャパンの品質をカンボジアの人にお届けしています。
−阿古さんはどのような幼少期を過ごしていましたか?
私は奈良県出身で親が農業資材や農薬を扱っている店を経営していました。ですが、家業を継ぐかどうかを迷っていました。また、母親が変わった人で小学生の僕に「あなたはなぜこの世に生まれてきたの?」とよく聞かれて、生きる意味を小さい時から悩んでいました。そこでテレビで見る内戦の映像に刺激され、このようなことが起こらないように国際貧困を解決したいと思い始めました。
−大学でも国際貧困について勉強したのですか?
そうですね。私は立命館大学で国際問題解決について学びました。しかし、知識としては理解していても、全然実践できていないことが悩みでした。大学2年生の時は大学に行かなくなり、バンド活動に専念しました。その時に自分の事業で儲かったお金で団体の立ち上げを支援している人に出会い、すごくその人を魅力的に感じました。そこで人生を見つめなおし、就職することに決めました。その時は一番仕事がきつい職を探して成長し、3年後には自分で起業するつもりでした。
−どのような会社に入ったのですか?
人材紹介会社に入りました。自分からその会社の人事に直接電話して、入社したいとアピールをしたら、卒業前に会社で働くことが許されました。本来なら3ヶ月かけて行う研修を3日で行い、いきなり現場に放り込まれた感じです。本当にきつかったですが楽しかったです。ベンチャー企業なので無理な注文を多くしてきましたが、上司が厳しく決してあきらめない人だったので、ついていきました。この上司には仕事をする大変さや責任感を学ぶことができました。この会社では人の関係を大切にすることも学べました。
−3年後に起業するというつもりで就職されたとのことですが、3年後に起業されたのですか?
いいえ、実は私の母が体調を崩し、1年間実家の手伝いをすることになりました。実家では農業を本格的にやりました。将来性のない農業といわれますが、実際需要があることもこの時に気づくことができました。ネットを使い、農産物の販売をしました。これは収入にはなりますが、革新的なことではなく少し物足りなかったです。そこで上海に友人の知り合いでイチゴを育てて販売をしようと考えている人の話に乗り、見学しに中国に行きました。足を運んでみると、可能性を大きく感じ、Japan Farm Productsを立ち上げました。ここで情報を発信するとどんどん新しいことも知ることができ、いろんな人に会う機会がありました。しかし中国の土壌と水がよくなく、農業のスタンスが日本と違いました。
ちょうどその時、あるきっかけからカンボジアの現状を知ることができ、自分もカンボジアで農業をしてみたくなりました。
そこで最初はカキなどを輸出することから始め、現地の需要に状態を合わせていくと、年々利益が上がっていきました。ちなみに私たちは初めて日本からカンボジアに輸出をした企業なんですよ。前例がなく大変でしたが歴史を作っている感覚がして、ワクワクしました。
−阿古さんが思うカンボジアの魅力を教えてください。
日本人と同じくこだわりを強く持つ人が多いと思います。自分がよいと思うことに関してはきちんと考えて、日本人と似たようなモノづくりのマインドをもっていると思います。カンボジア人は非常に優秀です。しかし何回同じことを言っても聞いてくれない人もいます。しかしそれは私がちゃんと寄り添っていなかったことが悪かったんですね。私はカンボジア人独特の感覚と日本のクオリティをミックスして、経営をしていけたらいいと思います。
−大学生活がつまらなく何をやっていいかわからない学生へアドバイスはありますか?
とりあえずやりたいことを100個書いていたらどうですか?多くの人は30個ぐらいならすらすら出てくると思うけど考える価値はあると思います。そして一つ一つをいつまでに実現したいかを決めて実現したらいいと思います。そうしたら自然とやることが見えてくると思います。
−最後に20代の人へ何かメッセージはありますか?
学生のうちから40歳、50歳、そして死ぬときのことをぼんやりとでも考えておくことは大切だと思います。社会人になるとそのようなことを考える暇がないと思います。人生を一日に例えると学生時代は仕事前の朝のことです。生産効率のいいことを多く取り組んでください。ぜひ積極的に動いていっていただければと思います。
取材担当コメント
阿古さんは幼いころから自分の存在意義を考えて、今はそれを実現するために努力されていました。僕も設定した目標を実現させるために、阿古さんのような行動力と仕事への真剣さを身に着けたいです。
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