山崎幸恵氏プロフィール
日本で神奈川大学短期大学部を卒業後、海外青年協力隊の活動でカンボジアに渡航。その後、王立プノンペン大学に留学し首席で卒業。カンボジア情報サービス合資会社の代表として通訳業をしながら、カンボジア生活情報誌”NyoNyum”を創刊。
カンボジア情報サービス会社概要
カンボジア情報サービスはカンボジア人の笑顔と誇りを、ありのまま伝えようという理念のもと設立した会社。通訳、翻訳、フリーペーパーの発行やアンテナショップの経営をしている。
NyoNyum(フリーペーパー):http://nyonyum.net/
―まずは事業について教えてください
私たちの会社はカンボジア語の通訳・翻訳が主な事業です。初めは1人で始めました。しかし、仕事をしているうちに集まるカンボジアの日常生活の営みやカンボジアの風土を知ってもらうためにフリーペーパー「ニョニュム」(ニョニュムはカンボジア語で「笑顔」の意)での情報発信を始めました。ニョニュムを通してカンボジアの文化や生活への理解を深めてほしいと思っています。カンボジアについての正しい情報を必要としている人に届けたいです。また、カンボジアで作っている良いものを販売する仕組みを確立したいと思い、事務所の上にアンテナショップを作り経営しています。
―山崎さんはどのような経緯でカンボジアに来たのですか?
青年海外協力隊に興味を持ったのがきっかけです。日本語教師の資格を取り協力隊に参加してカンボジアに来ました。元々、マスメディアで報道されているような、苦しんでいる人を見ると、自分で何かしたいと思い関心がありました。学生時代にカンボジアの報道を見た記憶があり、漠然とした不安がありましたが、実際足を運んでみるとすごくいい国でした。
特に子供の笑顔は日本では見られないような純粋なものだったんです。あいにく現地で病気にかかってしまったんですよ(笑)。それが原因で青年海外協力隊としては日本に帰国せざるをえなくなったときは、とても悔しかったです。帰国してからお払い箱扱いされているのが嫌で、絶対もう一度自分の力でカンボジアに行きたいと思いました。
―二度目にカンボジアに行くときはどのような手段をとったのですか?
自分でいろいろ調べたら、当時JICAや大使館などでカンボジアに行く枠がなかったんですよ。ほかに手段を考えたのですが、とにかく行ってみようと、当面の生活費として日本で貯めた100万円を握り締めて友達を頼りに渡航しました。そして、協力隊の先輩が紹介してくれた現地の大学に行くことに決めました。ですが、当時カンボジアの大学では私費留学を受け入れてなかったので、直接カンボジアの首相あてに手紙を書いて頼んだんです。そしたら教育省の人もびっくりして留学生の受け入れ制度を作ってくれたんです(笑)。
―カンボジアで在学中はどんな感じでしたか?
大学で一緒に勉強している仲間は全員日本でいう高校生ぐらいの精神年齢の人が多かったです。しかし、学問に関しては日本人より断然熱心でしたよ。そして師範学校であったことにもかかわらず、通っている生徒で教師になりたがる人がほとんどいないのが驚きでした。国としての暗い過去があったので、将来に希望を持っていた人が少なかったですね。また、カンボジアも今のように安全ではないので授業が終わったらすぐ帰宅していて、あまり遊んでなかったです。私は在学中にアルバイトで観光の仕事や、翻訳などをしていました。このようなことを学生の時にやっていたことが、今の仕事につながっています。
―山崎さんがいた20年間で、カンボジアの変化はありますか?
私が最初に来た20年前よりも今はカンボジア人が自信を持てていると思います。それと教育水準が上がって、基礎学力は今の方があるように感じます。そして今の若い人の方がより多くの選択肢があります。カンボジア人の笑顔がさらに多くなったことも感じますね。良い方向に進んでいると思います。
―今後の会社の展望を教えてください。
事業として現時点では利益が出ないことも多いですが、カンボジアの良さをより多くの人に知ってもらおうとして活動しています。それと、カンボジア人に仕事を通して現地の人にキャリアを作ってあげたいです。そもそもこの会社を立ち上げた経緯も個人事業として始めたもので、よりカンボジア人のためになりたいから始めました。今後は安定して利益を出せてきたら部門ごとに会社化していきたいです。
―最後に、将来何をしていいかわからない人に対してアドバイスはありますか?
そのように悩むのは選択肢がたくさんあるからなのではないでしょうか。人はみんな失敗するので、何度も失敗しやり直せばいいと思います。日本では失敗したらやり直しがきかない風潮も感じるのですが、恐れずに何でもいいからやってみればいいと思います。できることを少しずつ蓄積していくことが大事だと感じます。背伸びをする必要はないと思います。成功の反対は何もしないことだと思いますよ。どんどん動いてみてください。
取材担当コメント
山崎さんはカンボジアに私費留学制度がなかった時にあきらめずに、自分で制度を作ってもらうように首相に直接手紙を書いたというのが衝撃的でした。やはり、覚悟を決めて行動に移すことが目標を実現していくのに必要だと感じました。僕自身も実践していきたいと思います。
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