上松裕士氏プロフィール
大学2年生の夏休みにフィリピン山岳州に訪れたことがきっかけで、東南アジアに目覚める。大学卒業後、フィリピン大学大学院で社会開発学を学ぶ。清水建設フィリピン法人、飛騨高山の木工会社オークヴィレッジを経て現職。後で後悔しない自分がやりたいことをやる人生を楽しんでいる。
・出身地: 岐阜県
・大学: 立教大学社会学部
・好きな言葉: 最近印象に残った言葉は、’Doing Business with Compassion’
会社概要
製造業の誘致を行っており、経済特区を運営、管理をしている会社。
プノンペン経済特区URL: www.ppsez.com
—事業内容を教えてください
プノンペン経済特区社は、カンボジアの産業発展に貢献するために、工業団地に国内外からの製造業の誘致を行う会社です。企業が進出しやすいように団地のインフラ整備をしています。具体的に言うと電気、水道、通信、流通、土壌などを整えたりしています。現在プノンペン経済特区社に進出している企業は80社ほどいます。
カンボジアは人件費が比較的に安いので進出したい企業が多いのですが、投資許認可手続きを全面的にサポートする等して、外資のお客様でも安心して進出して来られるよう、水準の高い工業団地としてのサービスを提供することにより、カンボジアへの進出のお手伝いをしています。
—上松さんは大学時代をどのように過ごしていましたか?
私は、日本のバブル期に立教大学の社会学部に入学しました。入学してからは自分が大学で期待していた雰囲気と全く違いました。周りの人の多くはチャラチャラしており、勉強をそれほどしなくても卒業ができる人もいたためあまりなじめませんでした。そのことで悩んでいた大学二年生の時、話題性のあったフィリピンへのホームステイの募集があり、行くことを決心しました。
私は以前海外に行ったこともなくどのような場所かがはっきりとはわからないまま渡航しました。フィリピンのルソン島北部の山岳少数民族の人たちとともに10日間生活してその時は大きな衝撃をうけました。
—それはやはり生活の違いが衝撃だったのですか?
そうですね。この体験より自分は世界のまだ一部しか知らないことを痛感し、驚きました。その衝撃から帰国して一年後には留学して、再びフィリピンにわたり英語、フィリピン語やフィリピンの文化について勉強しました。
大学卒業後、親には就職を薦められて、周りの多くの人が就職活動をしていたが、自分の中では違和感があり、またフィリピンに行きたい気持ちが大きく、フィリピンの大学院で社会開発学を学ぶためにまた行きました。
その時は長期休暇があるたびに日本にアルバイトで稼いだお金を貯金し、フィリピでの日々の生活費を賄っていました。やはり、自分で決めたことなので親のお金に頼るのがいかがなものかと思いました。大学院にいるときは楽しかったですが、学者になることが自分には合わないと勉強していて感じました。なので、大学院を出て、職を探し始めました。その時は26歳でしたね。
—20代後半はどのように過ごしていましたか?
大学院を出てお金がなく、途方に暮れていたときに運よく建設会社の通訳になることができました。正直なところ、生活にお金は必要で、そこの給料の良さに飛びつきました(笑)。その会社は東南アジアに進出していた日系企業で、工場の事務など色んな仕事をさせてくれました。この会社で身に着けた工場のノウハウが今の仕事に大きく役立っています。
その会社では色んな優秀な人に会えてコンドミニアムや工場を支えたりして非常に良い成長機会になりました。その企業では5年間ほど働きました。私の20代はそんな感じです。そのあと日本の木工会社に6年ほど勤めたのち、もう一度海外に行ってみたいと思い、現在のゼファーという会社会社に入り、ゼファーとカンボジアの企業の合弁会社であるプノンペン経済特区社に来ました。
—日本とフィリピンに住んだ経験のある上松さんが感じるカンボジアの魅力を教えてください!
カンボジアはビジネスをする面では多くの魅力がありますね。ドルを使っていることや、人件費が安いことなど色々あげられます。カンボジア人に関しては日本人との親和性が高い気がします。また、私が出会った人から判断するとフィリピン人よりカンボジア人のほうが真面目ですね。
引っ越して間もない時買い物をして、店を出ていったらものすごい勢いで店員が追いかけてきたのですよ。店に戻ったらどうやら渡されたお釣りが少なかったらしく、わざわざ呼び戻してくれたのですよ。このエピソードは印象的でしたね。フィリピンならぼったくられることはありますが、こんなことは絶対ないでしょう(笑)。
—最後にやりたいことがわからない20代の人たちにアドバイスをいただけますか?
まず興味のあるものを見つける努力をすることが必要です。周りの目を気にしないように心がけると自然に見えてくると思います。常に視野を広く持ち、かたくなにならないことも大事です。また、専門性のある人の話を聞いたり、本を読むことで常に自分に刺激を与えることも有効だと思います。
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