バレンタインデー。日本では女性から男性にチョコレートを渡すイベントとして完全に定着し、愛よりは義理でチョコあげたりもらったりすることも多くなりました。義理チョコからも縁遠い筆者のように、バレンタインデーという言葉の響きにも「飽き」を感じている人もでてきているかもしれません。
東南アジアに目を向けてみると日本のそれとは別の盛り上がりを見せているようで、深刻な社会問題までを引き起こしているようです。今回はカンボジアにおけるバレンタインデーを見ていくことにします。
過剰な盛り上がりを見せるカンボジアのバレンタインデー
カンボジアでは日本とは違い、男性から女性に花束、特にバラを贈るのが一般的です。そのためバレンタインデーが近づくと路上にバラ売りの露店が増え、前日にはバラの価格が高騰。通常の2~3倍の価格になるとか。
都市部プノンペンでは、特に10代の男性を中心に大変な盛り上がりを見せており、中には「今夜こそなんとかしてホテルにいかなくては」という脅迫めいた意気込みで向かう者もいるようです。
クメール語でバレンタインデーを”ボン・ソンサー ; 恋人たちの祭り”と言い、ソンサーはおおよそ「恋人、愛しい人」や「結婚したい人」といった意味になります。この言葉で女性を呼ぶとき、単純な愛しさを表現する以上に暗に性的期待を仄めかすワードとなるようです。
ボン・ソンサーには若者たちの過剰な愛のアピールのあまり、予期せぬ無防備な性交渉だけでなく、暴力的な事件まで発生する深刻な事態となっています。
カンボジア政府の対応は?
カンボジア政府はバレンタインデーに際して、全国の学校にノートを配布。中には「自分自身と家族の尊厳」を失うことのないように、と警告しています。教育省はバレンタインデーに不適切な活動を防止するための措置をとるよう、私立や公立学校の教員たちに命じました。
また、同省は「ますます人気を博すバレンタインデーは過激な感情を駆り立て、勉強を忘れ自分自身と家族の評判・尊厳を失うことを助長している」とコメント。(AFP)
こういった問題の背景には女性は婚前交渉は持たず結婚まで貞操を守るべきだという伝統的道徳のプレッシャー、一方海外から「輸入」された華々しい愛のイベントという光と影の対比があるように思われます。
医療従事者はカンボジアの仏教的道徳観からセックスを主題に掲げることはタブーであり、性教育の遅れとその資金不足に問題があると指摘しています。
まとめ
日本とは大きく異なるバレンタインデー事情ですが、その背景には現地の教育事情と文化背景が複雑に絡んだ問題のようです。現地の性教育の活性化や政府の適切な働きかけによって、愛の日に悲しい事件が怒らないことを祈るばかりです。
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