インド|子供達に学ぶ機会を与える。無料で通える学校マザーベイビースクールで働く林さんにインタビュー!

林 寛与氏プロフィール

1979年11月13日生まれ。高校卒業後、服飾専門学校入学、卒業。その後、アパレル業界に就職し、古着屋でのリメイクデザイナー兼パタンナー、製造の全ての行程をする仕事に就く。

30歳の時、1年間カナダに留学。帰国後、世界一周に出発を決意し、ずっと行きたかったインドをスタート地点にと考え、インターネットでインドについて調べていた所、たまたま見つけたオンザロードの、インド現地駐在員募集に興味を持ち、応募をして運良く受かる。そして、2年間駐在員募集だった2年が過ぎた際、後任者もおらず、実際自分でもまだまだ居たいという気持ちがあり、現在6年目を迎える。

−団体概要を教えてください。

世界中の学校に通えない子どもたちが、学ぶ機会を得られること。これと同時に、豊かになりすぎて自分たちの幸せを実感できなくなってしまっている私たち日本人が、世界のリアルな現実に身を置くことで、忘れかけていることを体験することが、オンザロードの設立目的です。

また、国内では、海外でのボランティア受け入れ経験を生かし、東日本大震災直後、2011年4月上旬より宮城県石巻市・牡鹿郡女川町を中心に、延べ25,000人以上のボランティアを受け入れ、多岐に渡る震災復興支援活動を始めました。現在は、経済復興の長期的な活動として、オンラインで石巻の特産物を購入できる「石巻元気商店」の運営を行っています。また、地域の活性化・コミュニティ再構築のため、復興複合型施設「ロングビーチハウス」の建設を行い、2015年3月14日にオープンしました。

上記の活動と並行して福島県では、放射線量の影響により外で遊べない子どもたちへの県外での保養プログラムの実施、民間団体初となる大規模な除染活動を行ってきました。

今後も臨機応変に、住民との連携をしっかり図り、地域に根付いた国内復興支援の展開、また海外においても教育の幅を広げ、一人でも多くの子ども、そして差別ない社会を目指していきたいと考えます。

−マザーベイビースクールについて教えていただけますか?

ここバラナシは、ガンジス川が流れるインドでも有数の観光都市です。しかしマザーベイビースクールのあるガンジス川対岸のラームナガルという町は、貧困層が多い地域。親の職業を継ぐ前提で、貧困から抜け出せない環境の下、学校に行けない子どもが多い現状があります。そこで学費を無料とし、国際的感覚を養うことで将来の職業の選択肢を広げられるよう、基礎教育提供を行っています。

2008年にインドで、無料で通える学校「マザーベイビースクール」を開校し、各国の現実に応じた学ぶ機会を子どもたちに提供しています。また、お金を寄付するだけのボランティアではなく、日本を含めた世界の旅人たちも授業時間を持ち、子どもたちにそれぞれ得意な事を教える国際交流の場を設けています。

2013年7月には、政府認可の私立小学校ライセンスを取得し、現在は、私立小学校として運営を開始しています。

-事業内容を教えてください。

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途上国のニーズに合わせ、その地域で必要とするものを築き運営しています。現状インドとジャマイカ(現地団体委託)での教育提供、国内では東北の復興支援を継続中です。今後も、インドでは、学校のある村の女性を雇用したフェアトレード商品製作を計画中です。

これにより、子どもたちが家業の手伝いをすることなく、学校に毎日通えるようにすることが目的です。

インドの実状、日本でのNPOに対する認知度の低さなど、解決しなければいけない課題はたくさん残っています。そこで、新たな支援方法として、おいしく楽しい時間が教育支援に繋がる社会貢献型飲食店「Café&Bar Ethical(エシカル)」を、新しいプロジェクトとして設立しました。利益の一部がマザーベイビースクールに寄付されます。2016年7月1日下北沢にオープンしたこのお店の存在が、この場を通し、海外支援に対して「何から始めたらいいのか分からない」という人たちが1歩動き出す・知るきっかけになることを期待しています。

—林さんの20代について教えて下さい。

私の20代…かなり破天荒でした。古着屋では、私しかリメイク担当がいなかったので、かなりの仕事量で、朝から深夜までの作業が毎日でしたが、好きなことだったので全然苦ではありませんでした。そして、仕事後はそのまま遊びに出かけ、朝帰りして仕事に行く。ほとんど寝てませんでした(笑) 好きなことをして、やりたいことばかりやっていました。でもそれは、今でも変わりませんね。

—働く上でインドの魅力はどこにありますか?

インドは生きる力が凄い!インド人はよく騙すと言われていますが、私はそれは思いませんね。騙すのではなく、それが生きる糧だから…。文化の違い、貧困があることもその原因だと思います。そしてインド人は良い人も沢山います。今6年インドにいますが、周りの方々にも家族の様な人がいっぱいいます。楽しい時間も一緒、心配も本当の家族のようにしてくれたり、協力もしてくれて感謝の気持ちでいっぱいです。

—逆に気づく日本の魅力はありますか?

何事もスムーズにいくこと!インドでは「明日」が「明日」じゃないです(笑)。明日だったらだいたい1週間位の時間を要します。約束していても時間通り、日程通りに来ないのは当たり前ですね!(笑)日本は、本当に何でもあるし便利だなと思います。私にはもうそれが肌に合わないかもしれませんが…?!後は、お風呂があることは本当に魅力です!湯船は恋しくなるので…(笑)。

—林さんにとってインドで働くこととは?

インドで働くこと…インドだから、こうなるっ!ってことは沢山ありますが、世界中それぞれの国によって全然違うと思います。例えば申請物がある場合等、「明日出るから!」と言われても、99%は出ません!笑
インド時間の明日は、明後日にも、1週間後にも、1ヶ月後にもなり得ます。それに振り回されても、辛抱強くなることは大切かもしれません。そして、大工仕事などを頼んでも、ちゃんと来て働く人は少ないです。どれもこれも、日本ではないから仕方ないことと思っています。

でも、当校の先生たちは、本当に子どもたちのことを考え、他のどの学校にも負けない位の教育提供をしようと、真剣に考えてくれています。インドでは、学校は沢山あるので、それに伴い教員も必要=教員の質の低下問題もあり、「あの学校は先生が駄目!」と噂が広がれば、入学する生徒も減ります。

マザーベイビースクールは、ありがたく良い評判が広がり、年々生徒が増加しています!それも、先生たちのおかげだと思っています。私がこの活動を始めて、現在までの日々は本当に宝物です。子どもたちに教育を提供している立場ではありますが、子どもたちから毎日多くをもらっています。

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—今後の展望を教えてください!

子どもたちへの教育環境を整えることですね。IT業界が伸びているインドは、小学校からのパソコン授業もしている学校が増えていますが、お金のある所だけです。ITはカースト制度が廃止になってから出来た職業なので、カースト階級に関係なく、誰でも就業が出来ます。子どもたちの可能性を広げる1つです。後は、村の女性雇用をして、クオリティの高いフェアトレード商品を製作販売をし、継続的な運営費の捻出をするのが目標です。

運営費が安定した際には、小学校だけではなく、中学高校、大学まで学校を作り、貧困層へ無料の提供、更には他の地域にもそこのニーズに合わせた国際支援をしたいです。

—大学の授業はそれほど面白くなく自分が特にやりたいことが見つからない。これといった得意なことがない大学生は将来の夢をどう決めればいいのでしょうか?

大学生の時に将来を決めないとと思わなくて全然良いと思います。

将来の夢って、何個あっても良いと思う。例えば「○○企業に就職したい!」じゃ、内定をもらったら将来の夢が終了してしまうのかな?小さなことでも良いと思います。何かやりたいことがあればそれに挑戦する。日本の若者は、活力が無いと言われていますが、情報社会がそうさせている気もします。今は携帯1つあれば、もう何もいらない位、便利ですし…携帯忘れたらみんなとんでもなく焦りますよね?もっとシンプルになってみてはどうでしょう?夢って言うと、なんだか壮大な物になってしまいますから。やりたいこと、食べたい物、行きたい所、その都度あればそれをしていく。それすらも何もないって人は、あまりいないと思います。

そして逆に、「やりたくないこと」を考えてみてはどうでしょうか?それって、やりたいことの裏返しの場合もあると思います。やりたいことが見つからないのではなく、まだまだ知識が無い場合もあると思います。だから、本を沢山読んだり、知識人といっぱい交流して話を聞いてみるのも良いかもしれないです。今すぐにやりたいことが見つからないって焦る必要もないです。

親は心配で色々言うかもしれないですが、自分の気持ちを大切に、自分が少しでも興味があること、少しでも得意なことに挑戦したり、更に突き詰めたりしたらどうでしょうか?

将来の夢をみることすら出来ない子どもたちは、世界に沢山います。この思いすら本当に贅沢なんですよ!だから、焦らずゆっくり探して下さいね!

ー20代へのメッセージをお願いします。

元々、ボランティアや国際協力、教育などには、全く興味が無い人間でした。ただ、この募集を見た時に、「面白そうだな!子ども好きだし!」だけの気持ちでした。ここでこの活動をしていくうちに、NPOの継続運営の難しさ、子どもたちへの教育の大切さ、自分が本当に恵まれた環境に育ったことを実感しました。

もし、専門学生に…昔に戻れるなら、もっとちゃんと勉強しておけば良かったと思います。恵まれた環境が当たり前で、それを気付けたのはインドに来てからです。ずっと日本にいたら気付かなかったかもしれないですね。

だから、もっと皆に世界を見て欲しいと思います。実際に来て目で見て肌で感じることが1番!そして沢山勉強をして欲しいです。勉強と言っても,国語、数学とかだけではなく、興味が少しでもあることを学んで欲しいと思います。海外はちょっと怖いとか、危ないとか思うかもしれません。今は特に、テロなど心配かもしれないですね。世界中どこにいても、何が起こるか分からないですし、明日どうなるかもわからない世の中です。人生1回だから、やりたいこと、それに繋がることをして欲しいです。

日本でも全然良いですし、自分が生まれた環境、自分が生まれた意味を少しでも考えながら過ごして欲しいですが、それだけではなく、とりあえず毎日を一生懸命に生きて、楽しく過ごすこと…。感謝の気持ちを持って人に接したり、小さいことでも感動出来る人間が沢山いれば良いなと思います。同時に私もそういう人間でありたいと思います。

今日、そして今を思いっきり生きることをしていきましょう!

取材担当コメント

常に前向きで、ポジティブに生きる林さんのお話を聴き、私も前向きに生きようと思いました。本当に好きなことを仕事にしている姿は輝いて見えました。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

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