猪塚武氏プロフィール
1967年香川県出身。早稲田大学理工学部卒、東京工業大学修士課程修了。アクセンチュアを経て、政治家を志すが落選。1998年に株式会社デジタルフォレストを設立し日本No.1(2006年)のアクセス解析ソフトの会社になる。2009年にNTT Communication社に事業売却。
2011年より世界最先端のグリーンシティーを目指して約1万haの広さの「リゾート学園都市 vKirirom」を立ち上げカンボジアのナショナルブランドとなる。中心的役割を果たすキリロム工科大学は世界的なITエンジニアを養成する学部からスタートしカンボジアの上位1%の学生75人が全寮制で学ぶ。2017年は建築学科とリゾート学科がスタート予定。学生を受け入れる日本企業募集中。世界的な起業家組織EOの日本支部会長、アジアの理事を歴任し、現在はEOプノンペン支部の会長。キリロム工科大学学長。 vKirirom Pte. Ltd. CEO/Founder
キリロム工科大学 http://www.kirirom.info
vキリロムパインリゾート http://www.vkirirom.com
会社概要
キリロムにリゾート学園都市の計画を学生・インターン生を主体で進めている。
―猪塚さんの事業内容について教えてください。
カンボジアの軽井沢と呼ばれているキリロムという場所で学園都市を経営しています。四年ほど前の2012年から開始しています。キリロムには住民がいないので何でもできちゃうのが楽しいです。
―猪塚さんの学生時代について教えてください。
中学校の時から何が正しいかということをすごく悩んでいました。結論は見つかりませんでした。しかし、悩んだおかげで経験を最大化させようと強く思うようになれました。高校の時バレーボールの怪我のため引退したことがキッカケで勉強に没頭し、早稲田大学の物理学科に入りました。大学院では東京工業大学に行き、そこでもものすごく勉強しました。 その時ちょうど政治改革ブームが巻き起こっており、自分もそれに影響され日本がこのままでは破綻することに危機感を持つようになりました。そこで無所属で選挙に立候補して、政治家になることを決意しましたが落選してしまいました。
―その後も政治家になるつもりだったのですか?
当初はそのつもりでしたが、出馬した経験から色んな起業家に出会うことができ、ITコンサルティングファームで立候補前に1年働いた経験もあり、自分でも故郷の香川で株式会社デジタルフォレスト社を起業することにしました。その会社ではインターネットの仕組みを作っており、2003年には黒字になり、2006年にはアクセス解析ソフトで日本一になりました。しかし、リーマンショックなどで会社が不調になり、NTT Communicationに買収されたことをきっかけに自分で立ち上げた会社を去ることにしました。
―会社を離れた後は、どうしたのですか?
どこかでまた違う環境で起業をしたいと考え、条件を絞って選んだところ、シンガポールとカンボジアが理想的だと考え、まずシンガポールで起業することに決めました。しかし、シンガポールにはスーパーエリートが多く、ビジネスをやるのが難しいと考え、カンボジアに行くことに決めました。 カンボジアに来るにあたっては、カンボジア人にできることを自分がしてもしょうがないと考えて、紆余曲折を経て、リゾート学園都市を作ることに決めました。
―リゾート学園都市ではどのような人材を育てていきたいのですか?
学生には多様性を重視してほしいです。将来的にはもっと3万人まで生徒数を増やしてASEAN最大の全寮制の大学にしたいです。英語ができる日本人のインターン生も今受け入れているのですが、彼らの処理能力には驚かされることがあります。我々の大学(キリロム工科大学)のカンボジアの学生は非常に優秀ですが、日本の学生の方が入学時点ではまだ優秀ですので英語さえマスターすれば世界で戦えると感じます。
―大学がつまらなく目的が見つからない人がいますが何かアドバイスはありますか?
それは大学側の責任があると思います。自分もカンボジアで設立した大学の学長であるからわかりますが、日本の学校の先生がビジネスに疎いのだと感じます。やはり学校に通う目的などは、動かないと出てこないと思います。なので、インターンに参加してみたり、知的好奇心を満たすことをもっと多くしたほうが良いと思いますよ。それをしてみても、どうしてもつまらない場合は思い切って中退してもいいと思います。悩んだらキリロムに来てください。
―20代の人へのメッセージはありますか?
私はいずれ日本は破綻すると思っています。なので、若者には日本への愛とそれから這い上がれる能力や技術を持ってほしいです。また、自分の慣れている場所から外へ行ってみることもしておいてほしいです。目的をもってどこかに行かないと会う人や機会が激減するので、目的を明確にしたほうがいいですね。個人的には目的を持たない留学よりは、海外インターンに行くほうが有意義だと思います。若いうちに起業も経験しておくほうがいいと思います。
―最後に座右の銘を教えてください!
“If you put your mind to it, you can accomplish anything”ですね。若い方々のチャレンジを応援しています。
猪塚さん、ありがとうございました!
取材担当コメント
インタビューの終始、猪塚さんのしてきたことの規模やスピード感に圧倒されていました。キリロムリゾートでは学生だけで家を作ったり、ドローンを飛ばして敷地を警備したり、町全体をIT化したりという計画を持ち、それを学生やインターン生に任せていることも衝撃でした。猪塚さんの人柄もプロジェクトも非常に興味深く、自分も参加してみたいと思いました。
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