藤井陽平氏プロフィール
・京都大学卒業
・現在はベイン&カンパニーにて勤務
—いまお勤めされている会社概要を教えてください
ベイン&カンパニーという外資系コンサル企業で働いています。大きな事業内容としては、企業の経営コンサルタントをしています。例えばどうすれば企業の売り上げが上がるか、どうやってコストを下げるかなどを分析検討し、経営陣に提案しています。
—藤井さんの学生時代について教えてください
大学時代は色々なことをしていましたが、複数のサークルや複数のインターンをしていることが特筆できるかと思います。サークルはエレクトーンサークルや国際交流サークルをメインに活動しておりました。エレクトーンはやったことがなかったのですが、キーボード楽器をやってみたいなと思い大学から頑張ってみましたが薬指が動かない等非常に苦労しました。また、大学4年生の際には料理サークルを立ち上げ皆で料理夕食を作ったりしていました。
インターンに関しては、学部3年の時にゴールドマンサックスのIT部門、修士1年の時にGoogleでAndroidの開発を行うソフトウェアエンジニアとマッキンゼーのコンサルティング部門でインターンをしました。特にGoogleのインターンは2ヶ月と長かったので、実際のAndroidシステムの一部を開発することができました。
就職は技術系とビジネス系で迷ったのですが、NTTの持株会社に就職しました。NTTでは研究職として最先端の技術を研究していました。最先端の技術を大企業で研究する際の商用化スピードやそれに関連する問題点等を感じ、2年で退職し、ベイン&カンパニーの経営コンサルティング部門に転職しました。
—20代で頑張ったことはなんですか?
私の場合は学生時代と社会人で少し毛色が違いました。学生時代は幅広く様々なことに挑戦しました。そうすることで自分のやりたいことを探していました。一方で社会人になってからは、自分のやりたいことが徐々に見えていたのでそこに向けて突っ走っているというイメージでしょうか。個人的にはダラダラすることがあまり好きな方ではないので常に何かしています。休日でも今後流行りそうなサービス案について友人や兄と話したり、カフェで英語の勉強をしたりしています。
—NTTに就職されてからベイン&カンパニーに転職されたきっかけは何でしょうか?
視野を広げたかったためです。NTTでは研究職として最先端の技術を研究していました。私はサービス化に非常に興味があり、自分の研究した内容が世に出ていくことを夢見ていました。しかし、大企業ならではの商用化のスピードの遅さや決裁の複雑さを実感しました。特に自分が研究していた内容が、あるスタートアップによりサービス化された際は非常に衝撃を受けました。なぜお金のないスタートアップは素早いサービス化ができ、お金のあるNTTは素早いサービス化ができないのか、非常に興味を持ちました。考えてみると今まで技術系の教育やキャリアだったので全く経営の観点が無いことに気がつきました。将来的にはスタートアップ等で自分の作ったサービスを皆に使ってもらいたいという気持ちがあったのですが、その前に経営やビジネスの観点を理解することで視野を広げてみようと思い、転職しました。
—外資系コンサル企業の特徴はどのようなところにありますか?
コンサルティング企業は、個人の成長にとって非常にためになる仕事だと思います。若いながらも、大企業の成長のために分析や検討が可能であったり、経営の難しさや経営者の苦悩を理解することができます。また技術とは違い、ビジネスでは常に正しい答えがあるわけではありません。限られた情報の中で素早く正しそうなことを選択し人を動かす。100%の解を求めるよりも80%で行動し適宜修正する、ということが非常に重要です。これは研究者を続けていれば一生わかっていなかったかもしれません。
外資系のメリットとしては世界中の人とのインタラクションが多いという点です。年1回程度あるグローバルトレーニングでは他国のオフィスの人と一緒にトレーニングをしますし、半年間別のオフィスで働くというトランスファーという制度もあります。私は現在そのトランスファーという制度を利用してインドで勤務しています。
—インドで働く魅力を教えてください。
個人的に食事で苦労していますが、インドにも魅力が大きく2点あります。1つは新しい視点が得れる点です。例えばオフィスでインド人の同僚が柿ピーを床に落としたとします。インドの人はそれを拾ったりしません。それどころか靴で踏んでしまっても気にもしていない様子です。実はこの問題は意外と複雑です。インドは非常に格差社会でHouse keeperや単純作業をする人の賃金は企業で勤務する方の賃金の10分の1程度のこともあります。
実際オフィスでも賃金が安いため多数の掃除担当を雇っており、その人がすぐに掃除してくれます。家庭でもお手伝いさんが複数人いることが当たり前で、単純な作業をすべてその人達にしてもらっています。そのため、彼らは床に落とした柿ピーを拾う必要がないと思っているのです。面白いのが、このような環境ではルンバといった自動化は必要ありません。なぜならお手伝いさんが掃除してくれるからです。このようにインドで生活することで新しい視点を得られます。2点目の魅力はネットワーキングができるという点でしょうか。日本ではなかなか話すことが難しかった偉い方々と「インドで働く日本人」というつながりだけで話ができる等コミュニティが広がります。
—他にインドで働いて大変と感じることはありますか。
生活面ではとにかくお腹を壊します。インドに来て3ヶ月で3回は大きくお腹を壊しました。また、インドに来てから日本食が恋しくてたまりません。最近は安全な日本食を食べるために自炊をはじめました。
仕事に関しては、仕事内容によると思いますが、インドの人と議論をすることは日本人同士で議論するより非常に難しいと思います。インドは完全なる学歴・キャリア主義であり、職場でも自分の評価を気にするため、自分が間違っていないということを上司や同僚に主張したがります。不必要な言い訳がどうしても多くなってしまうので、しっかりと相手の考え方を認めた上で議論を収束させるという能力が求められます。
—逆に日本で働く魅力を教えてください!
インドに来て思うのは、私は日本がすごく好きなのだなと実感します。特に東京が好きですね。東京はキャリア思考の人が非常に多くて、キャリアを考えながら仕事を毎日頑張っている。カフェ等にいっても必ず多くの人が勉強や仕事をしています。そのような環境に身を置くと自分もやる気が出てきます。また食事面でも多くの選択肢があり毎日違う美味しい料理を簡単に食べる事ができます。
—働く上で大事にしていることはありますか?
もちろん自分のしたいことをやるということが重要なのですが、給与の高さは意外と重要だと思います。特に生涯賃金ではなく20代の給与が非常に重要だと思います。給与が低いと節約生活に走ってしまうのですが、給与が高いと余剰のお金ができ、自己投資を迷わずすることができます。例えば私は最近英語を勉強していたのですが、塾にいったりと結構なお金を支払いました。NTT時代の給与では正直なところ塾に行くまでの判断はできなかったと思います。実際塾に行って相当英語力があがっており、その結果インドで勤務する機会が与えられ、さらに英語力が上がっています。時間を買うという意味でも積極的な自己投資は重要だと思います。20代でしっかりと自己投資をすることが今後の人生やキャリアを決めるのではないかと信じています。
—今の大学生にアドバイスをお願いします。
幅広い視野を持ちつつも勉強をする癖をつけてください。社会人になると特に時間がなくなりますので、積極的に勉強する時間をつくらなければいけません。まわりで成長している人もいる中で、自分の社会的な価値を最大化する努力をしないと、将来的にはインドのように賃金格差が増大しHouse keeperのような仕事になってしまうかもしれません。
そこでおすすめの方法が、レベルの高い環境に身を置くことですね。真剣に将来について考えて必死に勉強している人が多い環境や、自分にとってかなり背伸びな環境に身を置くことで、勉強する癖もつき、自分の将来について真剣に考えることも可能になります。まだ時間はありますのでがんばってください。
藤井さん、ありがとうございました!!
取材担当コメント
仕事終わりにも関わらず気さくに取材に応じていただき大変ありがたかったです。社会人になっても勉強を続けておられる藤井さんを見て、身が引き締まる思いでした。改めて、大学生や20代のうちに自己投資しておくことの大切さを感じました。
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