田中健一氏プロフィール
22歳で同志社大学卒業後、25歳まで日本の会社に勤めた後、一年間大阪府の研修プログラムに参加したのち、26歳でインドへ渡り、現在に至る。
―事業内容を教えてください。
2014年に会社を設立し、3年目に入ります。日本人向けの研修会社を行っています。短い駐在期間の日本人を即戦力にすべく、インド現地のことを知り尽くした日本人が講師になり研修を行います。今後はインド人向けの研修も予定しています。
―ビジネスをする上で田中さんはインドの魅力は何処にあると思いますか?
一つ目は、日本では到底会えないようなお偉いさんにインドでは出会えることですね。インドにいる日本人はたったの六千人程度なので、当然出会う確率も違いますよね。またインドは今後中国をも凌駕するほど伸びると言われている国なので、そんなポテンシャルのある国に日本の企業からトップの方たちが集まる、といった図式も出来上がってくるためなおさら出会える人達は魅力的ですね。そういう方のお話を直接伺うことができることなどはインドの魅力だと思います。
二つ目は、裁量権が大きいところです。日本では従業員が一万人ほどいたら小さな駒の一つにしかすぎないですが、インドに来ると、インドの日系企業のうち日本人はすごく少ないです。その日本人たちは本社の意向をくんでいて、日本は課長級でもインドに来たら部長級の動きが出来ます。いわゆる大きな役割を担えること、これは最大の魅力の一つです。日本の会社の意向を組んで日本語が使えて、という希少価値さが重宝される所以ですね。
インド人でもどんな能力あっても、日本企業の意向を汲んでいなかったら意味がないわけですよね。また日系企業は基本的に長期で人を見ているので短い期間で会社を去ってしまうインド人と比べるとなおさら日本人は大事にされるんですよね。
―インドで仕事をする上で困ったことはありますか?
運動不足になることですね。朝は運転手が家の前まで迎えに来てくれるので、歩くのはせいぜいオフィスの中くらいです。外で運動をしようとしても、インドでは野良犬が非常に多く犬の前を走ると追いかけてくるので、外でのランニングも危ないですね(笑)
―余談ですが野良犬は居ますが野良猫はいませんよね。
インド人は猫が嫌いです。インドには神様がたくさんいますよね。たとえば像の神様のガネーシャやまたネズミの神様もいるんです。だからネズミの天敵の猫はインドではどうしても肩身の狭い思いをしてしまうんですね(笑)。
―今後の展望を教えてください。
物流会社や会計事務所のアドバイザーなど仕事はさまざまなことをやらせていただいていますが、こっちでニーズがあることをしたいですね。インドでニーズをきっちりと調査してお客様に提供していきたいなと思っていますね。
また TOEIC500しかない僕だったけれど、海外できちんと働いていること。将来海外で成功したら、こいつでも出来たんだから自分もできる、と海外で働くロールモデルを日本の皆様に見せられたらいいと思っています。
―大学時代について教えてください。
大学生の時は大学生の内輪サークルにいくつか入り、大規模なイベント開催したりなど活動を勢力的に行っており、その中の一つで伝統芸能の能楽をやっていました。色々な地域に行って能を広めるなどの活動を行っていました。
−今の事業を始めようと思ったきっかけはありますか?
昔自分の実家が花屋を営んでいまして、将来は自分自身で何かをしたい!という思いがありました。始めの方は儲かっていましたが、ホームセンターなどの大型のショッピングセンターが出来てしまうとどうしても価格競争には勝てないのですよね。そうなるとお客さんもどんどんそっちの方に流れて行って・・・という光景を見ていました。そこで自分はこういった自営業のお店や中小企業に対してコンサルティングをしていきたいと思うようになりましたね。
そして当時勤めていた会社のお客様の中小企業は皆海外向けの会社でした。そこで感じたのが僕らの世代は皆、外へ外へ出ていかなければならないということでした。日本製品を海外に積極的に販売をしなければならない。もう日本国内だけでやっていくことには限界があって、海外に目を向けるといってもそれだけのノウハウはない。どっかのコンサルティング会社に頼む?そんな金もない。
じゃあ誰がどうするのかを考えた時に、リーズナブルなfeeで、そういう困っている自分のような人や中小企業などを助けたい、自分がその役割を果たしたい、と思うようになったのがきっかけですね。
―もし田中さんが今大学生に戻れるとしたら何をされますか?
まったく今と同じ道筋を歩みたいですね。フィリピンに留学していたら良かった、というような後悔はありませんね。その時やりたいことを全力でやってきたので。
—悩める20代にアドバイスをお願いします!
その時興味があることをやればいいのはないでしょうか。どこに目標を置くのかが重要です。その目標にしたがって、突き進むべきですね。何もない状態でフラフラするのはもったいないので。
早めに自分がありたい姿を見定めて、どんな風な道に行こうかを考えて行動しておくことが重要なのではないでしょうか。頑張って下さい。応援しています。
取材担当者コメント
お家にお招き頂き取材に応じて下さった田中さん。田中さんの奥さんのとても美味しいご飯をご馳走になりながらの取材でした。インドのニーズと日本のニーズを徹底的に調査し、困っている人の助けになりたい、そんな熱意を感じられる取材になりました。
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