最近、『AI(人工知能)に人の仕事が奪われる』と言われる時代になってきました。ただ実際は、仕事の一部の工程をAIやロボットが担うことにより、『人はより創造的な仕事に従事する機会が増えてくる』とも言われたりします。そういった点も踏まえて今回は、ベトナムの主要産業の1つとされる、繊維産業の今後についてお伝えさせていただきます。
ベトナムの繊維産業から見る今後のおさえておきたい3つのこと
1)実際にAdidasは労働者の30%を削減予定
先日、インドネシアのAdidasは、労働者の30%を削減することを明らかにしました。このことからも分かる通り、製造工程の機械化により、実際に職を失う人が出てくることが現実になってきています。
より大きなくくりで見てみると、東南アジアの繊維産業には920万人の労働者のが従事しています。そして、ILOの調査によると、その3分の2以上が機械によって職を奪われるとされます。そして、そこには86%のベトナム人労働者も含まれているとのことでした。
2)原則として、スキルのない労働者の多くが職を失う
実例として、2015年からベトナムで導入されて裁断・縫製する機械で考えてみましょう。この機械は1台で労働者15名分の労働力と代替可能で、機械の費用は18ヶ月で回収することができます。このことだけでも、企業が機械を導入するメリットはとても大きいと考えられます。そのため、この例で考えると、裁断・縫製するだけの労働者でしたら、機械に職を奪われることは必然となります。
3)労働集約型ビジネスの転換期
ベトナムも人口が多いとされていますが、人口の伸び率でいうと、減速してきているのが現状としてあります。また、それに伴い、急速に高齢化が進んでいることが注目されています。そのため、今後は労働力不足になると考えられています。その点から考えると、製造工程の機械化はデメリットだけではないと考えられるのではないでしょうか。労働集約型の製造工程を機械化し、または、労働者をロボットに切り替えることは、労働力不足に取り組む上で最も効果的な方法ともされています。
(参照)http://apparelresource.asia/news/vietnam/item_2789.html#more
まとめ
ベトナムの繊維産業から見る今後のおさえておきたい3つのことは下記の通りです。
1)実際にAdidasは労働者の30%を削減予定
2)原則として、スキルのない労働者の多くが職を失う
3)労働集約型ビジネスの転換期
今回はベトナムの繊維産業から見る今後のおさえておきたい3つのことをお伝えさせていただきました。今回は具体的な数字を踏まえて、お伝えさせていただいたいので、より現実味を感じることができたかと思います。労働集約型ビジネスの転換は、今後、繊維産業だけでなく、他の産業でも多く発生する事象だということは間違いないです。このような視点で、アジアの産業に関わるニュースを見るのも面白いのではないでしょうか。
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